物事にはすべて原因が存在し、そして結果として現れます。
たとえば行楽地へ行く最中に交通渋滞が起きたとしましょう
この原因は交通量が増えたこと、どこかで事故が起きた、工事や検問などが行われているなどと想像できます。
つまり、原因があるということです。
その結果として渋滞が起こっているわけです。
夏休みの話題としまして大阪のユニバーサルスタジオジャパンの入場者数が東京ディズニーランドの入場者数を上回る勢いで増えているということですがこれにも原因と結果が存在します。
USJ 年間入場者数の推移
2001年:1102万人
2002年:763万人
2003年:988万人
2004年:810万人
2005年:831万人
2006年:869万人
2007年:864万人
2008年:813万人
2009年:750万人
2010年:750万人
2011年:880万人
2012年:975万人
2013年:1050万人
2014年:1270万人
2015年:1390万人
2016年:1460万人
2017年:非公開
2018年:非公開
※USJを運営する親会社の意向として、2017年からは年間入場者数が非公開へと変わっています。
※東京ディズニーランドは単体での入場者数は発表しておらず
東京ディズニーシーとの合算入場者数は2018年度のデータで3255万8千人となっています。(東京ディズニーランド単体での入場者数は1700~2000万人程度と予想されます。)
ハリウッド映画のテーマパークとして、2001年に誕生したユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)。米国ユニバーサル・スタジオの海外進出第1号として造られています。
USJは開業時の1100万人を10年以上上回ることができず2010年には閉鎖も考えていたとのことです。
2011年からは再び上昇傾向となり2013年には1000万人を回復
2014年には記録更新を果たしています。
ここで気になるのは何をしてここまで回復させたということです。つまり結果を残せた原因について考えて行きたいと思います。
「お金を使わずに集客」
10周年(2011年)の企画は、社内の資源を使ってお金を使わずに集客するプランを考案。例えば、今まで重視していなかったストリート・パフォーマンスの一種である、アトモスフィア・エンターテイメント(フラッシュモブなど)を強化した。
これは、仕事をしているフリをしているクルー(従業員)が、突然楽器を鳴らすと、他のクルーも別の楽器を鳴らし出し、さらに入園者(仕込まれたパフォーマー)がダンスを踊ったりして、気が付くと一大パフォーマンスになっているというものだ。
このフラッシュ・モブは大ウケし、大金を注ぎ込まなくても大きな感動を生みだせることを実証した。社員の意識改革の第一歩となった。
さらには、ハロウィーン期間に年間パス購入者限定で行っていた「ゾンビに遭遇するイベント」に着目。USJの特殊メイクの技術でゾンビのクオリティーは非常に高く怖いので、日頃のストレスを解消したい若い女性に人気があった。
これを大規模化することを決断し、夜になるとゾンビがあちこちで徘徊する「ハロウィーン・ホラーナイト」を実施した。巨大お化け屋敷と化し、ゾンビたちが入園者を追い回すUSJは超満員となり、前年まで7万人の集客だったハロウィーンイベントが、5倍以上の40万人を記録した。
「勝ちを決定づけたハリーポッターワールドへの投資」
現在のUSJの目玉となっているウィザーディング・ワールド・オブ・ハリーポッター」と呼ばれるハリーポッターエリア。これには450億円が投じられ、14年7月に新設されている。(この年に入場者数の記録を更新)ハリーポッターエリアが造られるのは、米国オーランドのUSJに続いて世界でも2番目。
オーランドUSJを視察した総責任者の森岡氏は、日本で成功すると確信。猛反対する他の幹部を説得して、オープンにこぎ着けた。当時800億円の年商であったUSJには不相応の巨額な建設だったが、2011年から次々と施策を当ててきた森岡氏だからこそ押し切ることができた。ハリーポッターエリアのオープン後は、関西とそれ以外の顧客の構成比が逆転し、日本全国のみならず、海外からの観光客も増えて、世界のUSJに飛躍した。
ハリーポッターエリアは細部まで作り込んだリアルさが特徴的で、映画のセットのように英国の古い町並みや、古城のホグワーツ城などを再現している。生えている樹木も英国さながら、おみやげ用のつえや蛙チョコレート、百味ビーンズ、バタービールなど魔法界のお菓子、飲み物もリアルに再現させた。
空を飛ぶようなライド・アトラクション、つえを振って魔法を掛けられる体験などもあり、入場者が魔法使いの気分になってハリーポッターの世界を満喫できる、万人受けするエンターテイメントとなっている。
「次の攻め手」
「スーパーマリオ」など任天堂のキャラクターとその世界観をテーマとした「SUPER NINTENDO WORLD」は現在建設中で、500億円を投じる計画。2020年の東京オリンピックの前にオープンする予定だ。外国人観光客のインバウンド消費にも大きく貢献するだろう。
日本発のキャラクターを使った「クールジャパン企画」は、2015年から毎年取り組んでいるテーマで、今年もゴジラ、エヴァンゲリオンなどの日本発キャラクターがアトラクションとなっている。任天堂エリアはその集大成となる施設となる。
入場者数の増加という結果を出すために
革新性のあるイベントや斬新なテーマパークの創設に乗り出したことが良い結果を生み出したということがわかります。
〈正確性を期すため一部記事を抜粋しております。〉