相場で利益を出すために考えておくべきこと

「相場の動きの原理について」

相場は市場参加者の売買により動いています。

影響力の強い順に並べると以下のようになります。

ヘッジファンド(主にアメリカ、ロンドンが拠点で国やVIPの資産を運用)
投資銀行(富裕層向けに自己開発の金融商品の販売)
大手銀行自己売買部門(大企業の通貨調達の請負)
個人投資家

この他、国自体の介入があります。

この内個人投資家はもっとも影響力が弱く
相場自体を動かすことも出来ません。
このため他の投資機関の動きを察知しつつ
ポジションを取る必要性があります。

「為替相場の変動率について」

為替相場では1日あたりおよそ0.1~1%の範囲で動きます。

多くの個人投資家にありがちな問題点としては1日あたりの利益(ノルマ)を高めに設定してしまうということがあります。

例えば1日に0.1%動く日と1%動く日とでは
10倍の開きがありますので、利益もそれに応じてばらつきが出るのが当然です。

わかりやすく言いますと、1万円の利益の日もあれば10万円の利益の日もあるということです。

そしてさらに重要なことは、この利益幅はトレーダーの技量に関係していないということです。

なぜなら、この利益幅の相違は相場自体の変動差によるものだからです。

ですが、そのことを考慮せずに1日あたりの目標利益を高く設定し、なおかつ、そのノルマを果たすまでは相場から離れないということをしますと、無理なトレードをすることとなり、結果的に相場から利益を得るどころか逆にマイナスになってしまうということです。

「多くの個人投資家にとって改善すべき点とは」

目標利益を設定することはモチベーションの維持にもなりますので悪いことではありません。

問題なのは、市場の原理を理解せずに利己的な目標利益を設定してしまうことにあります。

相場から得られる利益は相場の動きに委ねられているということを理解し、動かない相場では撤退するということも含めて、目標利益を設定する必要があります。

「適切な目標利益の設定とは」

上記の為替相場の例で言いますと、低い方の変動率に合わせた目標利益を設定することです。

1日あたり0.1%の変動率であれば
その半分の0.05%の差益を取れれば十分ですので、この数値を基準として設定します。

仮にレバレッジ20倍の取引をしたとします。
この場合の利益は0.05✕20=1となり
1%の利益(手数料は除く)が見込めるという計算になります。

具体例で言いますと
53000円の証拠金を利用し106円のレートで106万円分(1万通貨)のドルを買ったとします。(この時点でのレバレッジは20倍となります)
0.1%上昇したと仮定しますと、106.106円のレートとなり評価額は106万1060円となります。
上昇分は10.6pips(1060円)となり、その半分の5.3pips(530円)の差益を得たとして、平均的なスプレッド分として往復1pips分(100円)を差し引きますと、純利益は4.3pips(430円)となります。利益率は430÷53000=0.00811….となり、約0.8%の利益率となります。

これは0.1%の変動率に対する標準的な利益目標率となりますので、変動率がこれより低い場合はさらに低い利益率、高い場合は高い利益率となりますが、1ヶ月の稼働日数を20日間とした場合、この数値(1日あたり0.1%の変動率)を上回ることになりますので、月の平均値としましては、この数値を乗じたものよりも大きな値となります。

以上のことから、為替相場においては元資に対して1日あたり1%の利益率という設定は無理のない設定だと言えます。

「目標金額から算出した適正な元資」

仮に月に20万円(1日あたり1万円)の利益を為替市場から取得したいとします。

上記の計算に当てはめますと、100万円の資金があれば1万円(1%)の利益を得ることが出来ます。

月に100万円を取得したいのであれば、500万円の資金があれば達成可能です。

「目標利益率と実際の利益率の相違について」

チャートを分析しますと、1日あたり0.1%以上の変動率があることは確かですが

その変動がどの時間帯に起きるのか、さらには自己のトレード時間内に起きるかどうかという問題があります。

朝、昼、夜の時間帯で区分けしますと夜の時間帯にもっとも大きな変動があり、その次は朝、変動が少ないのは昼となります。

例えば日本時間の12時から15時の間は比較的緩やかに動きますのでこの時間帯にトレードをしたとしても
それほど大きな利益は望めないと考えられます。

大きな変動が起きる時間帯はランダムですので狙い撃ちをすることは難しいですが、統計では21~25時に大きな変動が起きるケースが多いため、戦略の1つとしてこの時間帯にトレード時間を合わせるということは考えられます。

「変動幅を的確に捉えるには」

トレード時間内に好ましい為替変動があったとしても、動く方向とは逆のポジションをとってしまっては意味がありません。

これを防ぐには日足の動きを見ることです。

その日の足が陽線であれば買いの方向へ
陰線であれば売りの方向にポジションを持つことで確率は上がります。

この際に、前日から数日前の動きとの関連性も併せて判断していく必要があります。

また動きが明確でない場合はポジションを持つことを控えます。

「利益幅を最大限にまで伸ばすには」

同じように利益が出たとしても、5pipsで利確する人と、50pipsで利確する人とでは10倍の開きが出ます。

先程のようにわかりやすく例えますと、100万円の資金で、106円のレートで同じように10万通貨(1060万円分)のドルを買い、
片方は106.05円で利確をし、もう片方は106.50円で利確をしたという計算です。

為替取引では勝率よりも、どれだけの値幅を取れたかということがより重要となります。

続きます