投資のルールは誰のために

ルールとは何か?

ルールとは取り決めのことです。

道路であれば信号が赤なら止まりましょう
青なら注意して進んで下さいということです。

電車であれば列に並んで待ちましょうといった具合です。

ルール作りはそれを守ることで社会生活を円滑にすることが目的です。

投資のルールとは何か?

投資にもルールがあります

ですが一般社会のルールとは少し違います。

投資のルールは自分自身を守るためにあります。

更に言いますと、自分の資産を守るためにあります。

ルールを破ることは自分で自分の首を絞めることになります。

ですから投資のルールを破ることがいかに愚かなことなのかが理解できるはずです。

ですが、驚くべきことに殆どの方が投資に関してのルールを守れていないというのが実情です。

それはなぜなのか!?

投資のルールを守るためには厳しい自己管理が求められる

そうです、投資のルールを守ることは
一般社会のルールを守ることより
はるかに難しいということです。

それはあなたのお金に対しての感情が試されているからです。

例えを出します。

全体資金の15%をその日のうちに失ったのであれば、その日はそれ以上トレードをしてはいけない。

このようなルールを設けたとします。

これは全損を防ぐためのルールです。

ですが、トレードで感情が揺さぶられることにより、このルールを無視したり、忘れたりするわけです。

資金が減り、あせりの感情が先走ると
取り返さなければいけないという自己都合が先行して、もともと決めておいたルールが無効化されるのです。

ここで実例を出します。

20%の利益が出たのであればその日はそれ以上トレードをしてはいけない。

Aさんはこのようなルールを設けました。

これは、ある程度の利益に達する頃には
相場の変調が起こり、それ以上トレードを続けていても資金は増えず危険性が増すため、利益を確保したなら早めに撤退するというルールです。

ですが、Aさんはその日のトレードが好調で
わずか1時間で全資産の20%の増加を達成したということです

このときのAさんの感情ですが、まだ1時間しかトレードをしていないのに
20%を増やせたのだから、あと数時間トレードをすれば50%程度まで増やせるのではないかと考えてしまったということです。

これはこの方にとっては悪魔の囁きでした

その後、調子に乗ってトレードを継続したAさんは資金を50%まで増やせるどころか、今日増やした20%分をすべて負けてしまい、さらに資金の30%まで失ってしまったということです。

少なくとも20%分を負けた時点で撤退していればプラスマイナスゼロで終われたものを、なぜマイナスを膨らませるまでにトレードをしたのかというのが問題の焦点です。

このとき、Aさんの感情はせっかく勝っていた20%分の利益を取り戻さなければいけないという感情が先走ることで、事前に決めておいたルールを無視した行為に及んだということです。

後になって振り返ってみると
なぜあのとき止めなかったのか
冷静になれなかったのか
ルールまで作っておいたのになぜ守れなかったのか
という後悔だけが押し寄せることとなります。

人は感情あふれる生き物ですので
機械のように正確無比にトレードを行うことは基本的に難しいのです。

とくにお金に関しての感情は人の感情を揺さぶり、正確な判断力を失わせることになりますので、自分でも気づかないうちに
ルールを破ってしまうことにもなるのです。

人はどのようにしてトレードルールを守るのか?

これはお金に対しての感情を無にすることで成し得ます。

ですが多くの方はこの境地に達することは出来ませんのでなかなか決めておいたルールを守ることが出来ないのです。

解決策はあるのか!?

日頃の鍛錬と、ルールを守らなければ相場から退場することになるということを自覚することです。

仮にトレード技術をいくら磨き上げたとしても、一瞬の自制の崩壊で、これまで築き上げたすべての資産を失うこともあるのです。

そのことを自覚すべきです。

そして、それは自分自身を守ることにもなるということを忘れてはいけません。