以前生徒さんからこのようなことを言われました。
「先生、チャートの形の一覧表のようなものを作ってもらえませんか、このような場合は下でこのような場合は上にくるといったものです。」
失礼ですが、これを聞いた瞬間この方が投資で成功することは難しいと感じました。
なぜなら、チャートは形通りには動かないからです。
仮にチャートが形通りに動くものだとします。
そこには完全な攻略法が存在し、それに合わせた自動プログラムを組むことで半永久的に利益を上げ続けることができるようになります。
ですが相場は多種多様の人たちが介在し、そこには多種多様の価値観や考え方が反映されます。
つまり、相場というものは有機体のように動き、そこには全く同じ動きやルーティーンのようなものは存在しないのです。
この方は相場の必勝法を追い求めていたと思われますが
それは余りにも浅はかな考えだと言えます。
なぜなら、仮にそのようなものが存在するなら相場自体が廃れ、現世に存在すらしていないからです。
必勝法が存在するのであれば、一方向からの取引が集中することとなり、相場自体が機能しなくなるのです。
さらにわかりやすく言うのであれば
ここで買えば必ず上がるとわかっているのであれば誰もその値段では売らないということです。
そして、売る人が出てくる頃にはかなり値上がりした後だということです。
そして、その状況で買えたとしても、もう利益は乗らない状態になっているということです。
このように人の感情が介在することでチャートは歪められ、機械で引いた線のようには動かなくなるのです。
過去のチャートを分析してみると、そのことが理解できるはずです。
チャートには決まった動きは存在せず
人の感情のように乱れた動きも見えるはずです。
私は乱れた相場は避けて、出来るだけ安定した相場で取引をするよう生徒の方に言っています。
これは必勝法ではありませんが、それを守るだけでも相場から利益を得ることができるからです。