前回投資を成功させるための一番の近道は
チャートを徹底的に学ぶことだとお話しました。
それで、チャートとは一体何なのか?
について考察したいと思います。
「チャートとはお金のやり取りの軌跡」
すべて匿名ではありますが、誰かが売り、それを誰かが買い、その売買が記録されて点となり
それらを連続表示させたものがチャートということになります。
例えばドル円であれば114円61銭で買い62銭で売り
(気配値と言います)の状態で買いが強く62銭の売り玉(売り注文)がなくなれば63銭に値が上がるという仕組みです。
逆に売りが強く61銭の買い玉(買い注文)がなくなれば、買い気配は60銭となります。
このようにしてチャートが動かされていくのです。
「チャートを動かす原動力は相場参加者」
では、誰がこの売り買いをしているのでしょうか。
それは相場に参加している人たちです。
多くの企業は貿易などで外貨が必要となりますので取引先の銀行を通して外貨を調達します。
例えば、1億ドル分の外貨が必要な場合は取引先の銀行にオーダーを入れます。
そうしますと、今度はその銀行が為替市場から外貨を調達するのです。
この場合は1億ドル分の外貨が必要ですので、その分の円を売ってドルを買うことになります。
そうするとドルの売り玉が一瞬で買われることになりますので瞬間的にドルが高くなるという仕組みです。
日本時間の朝9時から10時に為替が大きく動くことがありますがこのようなことが原因となっているのです。
これは実需のドル買いの一例ですが
これ以外にも投資目的での売買があります。
投資銀行の自己売買部門はトレードで利益を得る目的のために通貨を売買します。
ヘッジファンドは顧客から大量の資金を預かり
その資金の運用(増やす)のために
為替取引に参入しています。
そして忘れてはいけないのは、みなさんのような個人トレーダーです。
個人トレーダー自体の為替への影響力は極小(市場全体に対して割合が低い)ですので個人が売買をして為替が大きく動くということはありません。
ここで理解しておきたいのは
勝つために為替相場そのものを動かそうとしてはいけないということです。(自分のポジションをプラスにするため大量の買いを入れるなど)
相場の流れに逆らったとしても数億円程度の資金ではびくともしないからです。
為替相場の主なプレイヤーは上記の3つの機関が
占めていますので、個人トレーダーは
その流れに追随していくことが唯一利益を上げる
ことのできる道となります。
つまり、勝つためには、いかに値動きを素早くキャッチし、その流れに乗ることができるかどうかが鍵になるのです。
しかもそれは早ければ早いほど大きな利益を生み、逆に遅ければ遅いほどマイナス利益に近づくということです。
仮にドル円相場で104円50銭から105円、その後に104円80銭になる流れが出たとします。
この相場で、Aさんは104円55銭でいち早く上昇の流れに気付きそこでエントリーし、105円で決済をして45銭(45pips)の値幅を取ることに成功しました。またBさんは気付くのが遅く104円90銭で上昇の波に気付きその時点でエントリーしましたが、105円の時点ではさらに利益を伸ばしたいという気持ちがでて売れずに104円80銭まで持ち越しました。この時点で-10銭(-10pips)になっています。
このように反応が遅れると利益がマイナス利益へと変化するのが為替相場の特徴なのです。
その後の経過で、Bさんは104円90銭の買いポジションを持ったまま売れずにいると、さらに大きな売りが入り103円80銭まで急落することになります。
この時点でマイナス1円10銭(-110pips)となり
損失がさらに拡大したことになります。
この後の展開で、104円90銭まで戻ればよいのですが結果的にはさらに下落し、102円90銭となりました。
この時点で-200pipsの損失が出ている計算になります。
Bさんはもう損切するしかない状況にまで追い込まれることになります。
時間を戻しますとBさんは105円のタイミングで決済するのがベストであり、この場合は10銭の利幅を取ることができました。
次に105円から反転し、104円80銭で損切できれば
10銭のマイナス(-10pips)で済んでいました。
ですがBさんはマイナスを嫌い買値の104円90銭に戻るのを待ったため損切りが遅れ、最終的にマイナス200pipsで損切りさせられることになります。
Bさんは少しの損失が受け入れられずに結果的に大きな損失を受け入れることになります。
為替相場では状況判断を的確かつ素早く行わなければならず
個人的な私情(損を出したくないので建値まで戻るのを待とうなど)を挟むと大きく負ける要因となるのです。
為替相場は個人の都合とは無関係に動きますので、そのことを無視して個人的な事情を優先させると大きな損失を被るということです。
次回に続きます。