いきなりですが、投資の利益の源泉は殆どの場合において不確実性の中にこそ存在しています。
ですが多くの人は、これとは反対に、より確実であるものを追い求め、本能的にも自分自身で確信が持てないものに対して投資をすることをためらう傾向にあります。
将来的に爆発的な利益をもたらす株や、数十倍や百倍以上にもなる仮想通貨というものは、その初期段階では殆どの人から相手にされることがなく
一般的な見方をすれば、とても投資したいと思えるような代物ではないということです。
ですが、本当に利益をもたらす原石というものは、このような不確実性の高いものに集中しているのです。
多くの人は、目に見えて信頼でき、なおかつ将来的にも大きな利益をもたらしそうなものを探し求めています。
そのような対象に投資することができれば、将来確実に
利益を得ることができると考えているからです。
ですが、それは空想だと気づくべきです。
もし、そのようなものが存在したとすれば瞬く間に人気が集中し、とても安い値段では買うことなどできなくなるからです。
それでも最初からプレミア価格で入手するのを覚悟で購入するのであれば構いませんが、その価格で買ったものが数十倍や100倍になるという幻想を抱くべきではありません。
なぜなら、多くの人からすでに存在を知られており、その結果として、初期段階に関わらずプレミア価格をつけていたからです。
これは、それ以上に伸びる余地はあまりないということも意味しています。
「安全性を求めすぎると結局は損をしてしまう」
世の中で確実に利益を得る方法、その多くは薄利だということを知っておくべきでしょう。
この原理は単純で、そのようなものには多くの人が出資したがり、高い利回りを用意せずとも、投資をしたいという人はいくらでもいるからです。
そして、そのような投資対象は例外なく薄利となります。
例えば日本国債は国がデフォルトをしない限りは確実に支払われますが、その分、利回りは驚くほど安く設定されています。
日本の国債は年利0.2%程度です。
仮に100万円分を購入したとすれば年間で2千円程度の利益にしかならないということです。
これは銀行の定期預金の利率とほぼ同程度になります。
逆に銀行から個人が借り入れをした場合は2~18%(100万円に対し2~18万円)の金利が設定されますので、銀行に貸す場合と比較して10倍から90倍程度の金利を取られる計算になります。
これは、個人の信用を低く見積もっているからであり、一定の貸し倒れ率を含めた上で、さらに回収のための費用や利益の計上も入れた値に設定しているからです。
つまり、個人にお金を貸すということは、それだけリスクが高いということを意味しているのです。
このように、リスクが高い投資対象は金利が高く、リスクが低い投資対象は金利が低いというのは市場原理からくるものなのです。
ごく一般的な方がリスクの低い日本国債に投資したとしても、得られる利益はごく僅かであり、投資するメリットはほぼ得られないということは経験せずとも実感されたかと思われます。
お金を得るためにはそのためのリスクを背負うことから逃げることは出来ないのです。
それはリスクの中にこそ利益が存在しているからです。
虎穴に入らずば虎子を得ずという諺がありますが、積極的にお金を増やすための投資とはまさにそのようなものだからです。
それが出来ないというのであれば、そもそも投資で大きく稼ぐことなど夢物語を見ているのと変わらないということです。
では、投資で積極的にお金を増やしたいという個人はどのような投資対象を選択すべきでしょうか?
上記のリスクが低い投資対象と対極に位置するものでデリバティブ取引と呼ばれているものが存在します。
デリバティブとは金融派生商品という意味で、様々な投資対象をレバレッジが利く金融商品に仕上げ、それらを取引の対象とすることで通常の取引とは比較にならないくらいの利益を得る可能性を持つ取引の仕組みです。
これらのデリバティブで有名なのはFXや先物取引、最近では暗号資産の取引ということになります。
これらの投資対象はすべてハイリスクで金融の知識がない人が取引をするならほぼ資金をゼロにされてしまうものです。
投資をしたいと考えている多くの方は大きく資産を増やそうという考えのもとで投資を始めますが、大きく増やすということはそれなりのリスクが必ずついてくるということを理解しておくべきです。
そしてこのリスクについて考慮しない方は例外なく投資でお金を失うことになります。
それは、投資とはそのような仕組みになっているからです。
「あなたはこのような値動きに耐えられるだろうか?」
ここでは、1つの例としてビットコインの値動きついて考察してみます。
ビットコインは2021年の1月に750万円の高値をつけた後、
2022年6月には250万円以下の価格をつけています。
これは、約1年半の期間で3分の1以下の価格にまで下落したことを意味します。
ここでは、あなたが500万円の時にビットコインを買っていたと仮定してみます。
今はその半値程度にまで下げていますが、あなたはこれ以上損失を出したくないという理由で今の値段で売却をするでしょうか?
それとも、今後の回復を期待してまだ持ち続けるでしょうか?
仮に今の価格でビットコインを売却したとすれば250万円(500万円に対して50%)の損失を出すことになりますが、まだ持ち続けたとして更に値下がりをして100万円になった場合にそこで売却をすれば400万円(500万円に対して80%)の損失を確定させることになります。
ビットコイン価格が暴落している原因は、それで(下がることにより)儲けている投資家が存在するからです。
ビットコインを買い支えができないほどに大量に空売りし、暴落を引き起こし、安値で買い戻すという手口で暴利を貪るのがヘッジファンドと呼ばれる機関投資家です。
ヘッジファンドは兆単位の資金を有しているため
ビットコインを売り崩して差益を得るということなど簡単にできてしまうのです。
仮にこれからも下落が続き100万円台にまで下げる展開になったとすれば、このようなニュースがほぼ確実に流れることになります。
【量子コンピューターによりビットコインの暗号技術が破られる】
もしくは、
【仮想通貨の取引規制を巡ってアメリカ政府が検討を始めた】
このようなでっちあげのニュースが流れることになります。
ですが、下げを目論む側からすればニュースの真偽についてはどうでもよいのです。
ビットコインの価格を暴落させることこそがニュースを出す目的であって、ニュースはそのための手段だからです。
それで、このようなニュースが流れるタイミングというのは
決まってヘッジファンドがすでに大量の売りポジションを持っており、ニュースを出すと同時にさらに売り込むことにより、ニュースに真実性を持たせ小口投資家を巻き込むことにより暴落を引き起こすのです。
小口投資家が最後の最後まで持ち続けたポジションをあきらめて手放す(セリング・クライマックス)までこれは続きます。
そしてもう誰も売る人がいなくなったタイミングで、大量に売っていたヘッジファンドが人知れず買い戻しに転じ、更には買い増すのです。
このようにして、相場は大底から徐々に回復し、底値で大量に仕入れを終えたタイミングで今度は良いニュースを流します。
かつてのニュースは過去のものとなった、心配は過ぎ去ったと言わんばかりに、今度はヘッジファンドが買い煽りに転じます。(この時には複数の機関から買い推奨が出されます)
このようにして、ヘッジファンドが底値で買い集めたポジションは大きな利益を生むことになるわけです。
いかにして他人に安く売らせるのか、そしてそれを独占的に買い集めるにはどのような手段を用いればよいのか?
巧みに人の心理を操ることにより、それを実現し、利益を自在に生み出しているのがヘッジファンドなのです。
しかし、これらのことについてこれまでに批判されたことは一度もありませんし、今後もないでしょう。
それどころか、政府や報道機関が先導し、裏事情については何もなかったかのように振る舞われるのが常です。
その理由は、それらの機関の資金もヘッジファンドにより運用されているからに他なりません。
ここで考えていただきたいのは、トレードを含めて投資とは
お金のやり取りであり、誰かの利益は誰かの損失につながっているということです。
つまり、誰かが損失を出さない限り、利益の源泉がなく、投資で利益を上げることもできないということです。
莫大な利益を生み出すためには、その裏で多くの犠牲が必要となるのです。
その犠牲となるのは多くの場合において個人投資家だということです。
今後ビットコインの価格がさらに値下がりし、仮に100万円を割り込んだとしたら、これまで耐えてきた人からも大量の投げ売りが出ることになります。
そのような状況下で逆に買い向かうことができる人が最終的に利益を得る人になるということです。
上述した表向きには語れない仕組みを理解された方であればどう行動すれば利益に結びつくかも理解されたかと思われます。
もちろんこれらは仮定の話であり、
実際のところ、もう十分に下げているのでここから反転してもおかしくはないのです。
ですから、これらは最悪のシナリオを想定しての話となります。
ですが、最悪の状況になったときこそ、それはチャンスでもあり、それを察知して行動できた人が大きな利益を得る人であるということも知っていただきたいと思います。
あなたはどう行動しますか?