投資家は騙されてはいけない職業です

いきなり私自身のことをお話するのもどうかと思いましたが
私は人生で一度たりとも騙されたことがない人間です。

これは生まれてから一度も騙されたことがないという意味です。

なぜこの話をしようかと考えたのかと言いますと、
世の中の多くの人は常に騙され続けているからです。

いえいえ、私は一度も騙されたことはないですよ。という人も
世の中の真実ではないニュースや報道に騙されていることに気づいていないだけだということです。

身近な例で言いますと、本来不要であるものをセールストークに乗せられて買ってしまった。というのも騙されたことになるわけです。

TV通販のチャンネルで買ってみたものの宣伝文句とは全然違っていたというのもこれに含まれます。

また今では少なくなりましたが、就職活動をしていて年間休日が〇〇日で、有給休暇は○○日という説明で、入社してみれば実際は休日出勤があったり、有給休暇も取らせてもらえないという手口は中小企業でよく行われていました。

これらもれっきとした詐欺なのです。

ただ、雇われているという立場上、反発する=強制解雇ということにもなりかねませんのそれを明確に指摘することもできなかったわけです。

このように、認知するしないに関わらず、ありとあらゆるところに人を騙そうという仕掛けが存在しているわけです。

それで、特にこれから投資家を目指そうという方に言っておきたいことは

一般の方は多少騙されても仕方のないことだと笑って言えますが
投資家は決して騙されてはいけないということです。

投資家という職業にもっとも必要なものは真実を見極める眼力です。

嘘か本当かの真理を見極めるということです。

ある投資案件が存在し、それが成功するのかしないのか?
或いはもともと投資の実態自体が存在せず、詐欺を働くために作られたプロジェクトなのか?

これらの見極めをはっきりと行わなければいけないということです。

騙されれば、即投資資金を失うことになるからです。

前述のように詐欺は日常生活中のありとあらゆるところに存在していますが

金融投資関連はとくにこの傾向が強いのです。

一例として、数年前の仮想通貨のICO(Initial Coin offering)件案のほとんどが詐欺まがいのものだったということがあります。

ICOとはわかりやすく言うなら仮想通貨(暗号通貨)の新規発行と上場に向けて投資家を募る(投資家からお金を集める)活動です。

このお金を集める際に投資家に向けて将来的なプロジェクトの説明やそれの効果(投資した場合の利益配分等)の説明があるわけですが、それらが嘘や誇大表現まみれであることが多いのです。

このようなプロジェクトは投資家からお金を集めた後に、そのプロジェクトを破綻させるというのがお決まりの手口です。

これにはロジックが存在し、開発に向けて様々な努力をしてきましたが結果として上手くは行きませんでした。というように言い逃れをすることでそのまま投資金額を騙し取ることが出来たのです。

このプロジェクトへの出資金というのはあくまでも投資したお金であって
投資とは資金がなくなることも前提で(リスクを承知で)行うものですので、上手くいかなかったという理由で返金を迫ることも出来ないわけです。

また裁判をして返金させようにも国をまたいでいますので(海外からの案件がほとんど)裁判自体を行うことも大変ですし、投資資金を横領したという証明責任もこちら側にありますので、実際に裁判を行ったとしても、上手くいったとしても投資金のごく一部を回収できるにすぎません。
またその裁判を行うための様々な費用も別途発生しますので、その費用を支払えば確実に赤字になるという計算です。

このような事情がありますので、騙し放題だったわけです。

ここで注意しなければいけない点はうますぎるプロジェクトは罠だらけだということです。

そのように投資家にとってメリットが大きい事業であれば一般の投資家から資金を募る以前に大口投資家(大企業など)が目をつけて先に投資しているということです。

最近ではChatGPTをリリースしている「オープンAI」にマイクロソフトが約1兆円の資金を投資しています。

それで、そのような大企業からは相手にされないものが一般投資家向けに売り出されることになりますが、これらの投資案件は投資するに値しないクズ商品ばかりだということです。

このようないきさつを知るか知らないかだけでも投資をする眼力に差が出るということです。

もう一度言いますが、投資家は決して騙されてはいけません。

真偽を見極められることこそが投資家であることの証であり、それが投資家の仕事だからです。